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2007年2月第4週 「日本の設備 中国の設備」

失われた10年、日本の企業はひたすら借金を返し、倹約してバランスシートの健全化に努めてきました。

バブル時に借りた借金返済に悪戦苦闘し、「もう、借金はしないぞ!」と言う強い借金アレルギーが生まれ、いくら銀行から勧められても、極端に金を借りなくなってきました。ひたすら、リストラと経費削減に努めてきたのです。

日銀が金利を0.25%の引き上げましたが、資金需要が極端に減少し利上げをしても以前の様に経済に対する影響は大きくありません。

銀行が貸したい企業は金を借りず借りたい企業には貸さないのですから、銀行の中小企業向け融資は減るばかりです。

もっと大きな、問題が別のところにあります。
失われた10年、日本企業は借金返済に邁進し設備投資を著しく減額してきました。
1992年から1994年と日本の設備投資は前年比マイナスを記録し、1995年以降プラスに転じたもののその伸びは以前の勢いはありません。

その10年間の内に、韓国の三星は果敢な巨額設備投資を敢行し、瞬く間に錚々たる日本メーカーを抜き去り世界のトップレベルに躍り出たのです。

同じような事が、中国と日本の工場の間にもあります。

日本企業が設備の更新を先延ばしにしている間、香港、台湾、中国企業は最新鋭の設備機械を中国工場に導入して、効率を著しく向上させてきました。最新鋭の機械設備と安い労働力で、日本企業のシェアを蚕食し世界の工場としての地位を確固としたものにしてきたのです。

「技術では、台湾や韓国には負けないだろう」と思い込んでいたのが、中国にさえ追い越されている分野があるのです。日本が少なくともアジアで1番と言うのは根拠のない、妄想なのかもしれません。

国内の工場が半減してきているのも、その表れでしょう。

日本に出来て台湾、韓国に出来ないものが、まだまだ沢山あります。経験と技術の蓄積が求められる超小型部品、光学機器、医療機器など、単純に見えるところでは、メッキ、レンズ、鉄の分野でも日本、ドイツしか作れないものがあるようです。

一方、半導体、携帯電話、パソコンなどは、日本が韓国、台湾に追いつくのは無理と言われています。
基本的に日本で出来るものは、台湾、韓国、中国にも出来ると思った方が良さそうです。

これ等東アジアの人々と我々日本人の間に、能力に違いがあるとは思えません。
あるとすれば、考え方の違い、協力して一つの仕事を成し遂げられるかどうか位でしょう。

1対1では同じでも、チームになると、日本人に1日の長があると言われていますが、私もそう思います。

中国では古来、男の子は「龍になれ」と育てられて来ました。龍とは王の象徴です。全員が王になろうとする社会に協調性は生まれにくいのです。

今は王様はいませんので、その様なことはないのですが、人に使われるのを良しとしない風潮は厳然と存在します。「日本では、一つの会社に生涯勤める人が多い」と言うと奇異に感じられるようです。

台湾、香港、中国の会社には、社員がほとんど女性と言う会社が珍しくありません。
男は教育しても技術やお客を盗んで独立してしまうので、その様なことのない女性を使うのです。経営者も社員に、その程度しか期待していないのです。

こつこつと数十年、技術を積み重ねて腕を磨いた日本の技術者、職人は手抜きをせず、愚直に「ものづくり」に励みます。

中国でものづくりをして思うのは、最後の5%を手抜きして、品質が、そして、出来上がりが落ちるのです。
各工程ごとに、5%づつ手抜きしたら大変な事になります。

手っ取り早く仕事をしようと言う気持ちが強く、日本のように「ものづくり」に気持ちが入っていないのです。

日本では1万個に1個の不良も許さない部品産業が多くありますが、海外では、不良が出たら交換すれば良いとの考えも多く、両者の品質に大きな差が出る原因の1つになっています。

日本のやり方が絶対と言いがたい場合もありますが、日本人が「ものづくり」に対するこの様な特性を今後も保てれば、日本の強さは維持できると思います。
  

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番号

タイトル

掲示日

375 2010年11月第5週 「海外で通用する人材」 10-11-29
374 2010年11月第4週 「格安航空券」 10-11-22
373 2010年11月第3週 「パキスタンと非常ランプ 兼用 電球」 10-11-15
372 2010年11月第2週 「ノーベル賞について」 10-11-08
371 2010年11月第1週 「最近の世界の荷動き」 10-11-02
370 2010年10月第4週 「尖閣列島について」 10-10-25
369 2010年10月第3週 「マジック バルブ (LED電球)」 10-10-18
368 2010年10月第2週 「 劉 暁波 反政府活動家にノーベル賞」 10-10-12
367 2010年10月第1週 「驚きの世界の消費税」 10-10-04
366 2010年9月第4週 「倭寇」 10-09-28
365 2010年9月第3週 「3D立体の医療分野での応用」 10-09-21
364 2010年9月第2週 「財政再建3」 10-09-16
363 2010年9月第1週 「財政再建2」 10-09-06
362 2010年8月第5週 「財政再建」 10-08-30
361 2010年8月第4週 「世界の珍味 3 動物の頭の料理」 10-08-23
360 2010年8月第3週 「世界の珍味 2 ブラジル」 10-08-16
359 2010年8月第2週 「世界の珍味 第一号」 10-08-09
358 2010年8月第1週 「一代の英雄 大川 功」 10-08-02
357 2010年7月第4週 「有名人の子孫」 10-07-26
356 2010年7月第3週 「3D元年から 6ヶ月」 10-07-20
355 2010年7月第2週 「世界の進歩」 10-07-12
354 2010年7月第1週 「裸眼3D市場レポート」 10-07-05
353 2010年6月第5週 「ユーロの危機」 10-06-28
352 2010年6月第4週 「井戸堀」 10-06-21
351 2010年6月第3週 「台北 Computex.」 10-06-14
350 2010年6月第2週 「デジタルサイネージ2」 10-06-07
349 2010年5月第5週 「デジタルサイネージ」 10-05-31
348 2010年5月第4週 「新製品」 10-05-24
347 2010年5月第3週 「クレーム」 10-05-17
346 2010年5月第1週 「バッテリー内蔵LED電球」 10-05-10

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